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公正証書を作るために決めるべき10のこと

公正証書を作るためには何を話し合えば良いのか

公正証書を作るために決めるべき10のこと

離婚のために公正証書を作ると良いらしい…。でも、一体何を話し合えば良いのか、何を決めたら良いのか、二人で話し合ったことだけで十分なのかなどを知りたい方のために、公正証書を作るために決めるべき10のことを解説します。

離婚届

離婚届を出してから公正証書を作成するのか、公正証書を作成してから離婚届を出すのかを決めます。公正証書を作成するには、それなりの時間がかかりますので、「とにかく早く離婚したい」なら先に離婚届を出しても良いでしょう。ただし、離婚後に財産分与や慰謝料について話し合う場合、除斥期間や時効、離婚時の財産の把握やその後の変動に注意が必要です。

親権

親権者をどちらにするか決めます。

最近は共同親権・共同監護を主張する立場も有力になってはきていますが、欧米のように認められるには至っていません。

圧倒的に母親が親権を持つことが多いのですが、父親が始めから親権をあきらめる必要はありません。また、親権を持つことが出来なかったほうの親には面会交流権がありますので、公正証書や調停等の場で、具体的に決めておくと安心です。

養育費

離婚をしても、未成熟子(未成年もしくは成年であっても成人として自立できていない、例えば大学生など)に対する親の扶養義務に変更はありません。この扶養義務は、「生活保持義務」のことであり、子が親と同程度の生活ができるように費用を負担する義務です。

月額、支払期間、事情変更、支払方法を決めます。

月額を決める際に、養育費算定表に従わなければならないと考えている方も多いですが、そういう訳ではありません。

支払期間については、終期の決め方に注意が必要です。「大学卒業まで」といった決め方では、大学を中退した場合、留年した場合などに疑義が生じる可能性があります。

「22歳に達した日の属する月まで」とか、「22歳に達した後の最初の3月まで」などと終期を明確にし、「その時点で大学在学中のときは卒業まで」と追加すると良いでしょう。

養育費の支払は長期間にわたるので、途中、再婚、失職など、当初の約束の前提が変わってしまうこともあります。そのような場合は、養育費の増減について再協議することが認められているので、その旨も記載しておきます。子を監護する側の親が再婚した場合は、子を監護しない側の親は養育費を支払わないでよい、といった約束を希望される方もいますが、再婚したからといって、すぐさま扶養義務が免除されるものではありません。再協議の理由の一つとして記載するにとどめるべきでしょう。

お子さんの数が二人以上なら、養育費の額は各人ごとに定めます。

支払方法は通常1か月毎です。ボーナス時には増額する、進学時には○○万円を支払う、などと決めることも出来ます。

遅延損害金の定めをすることも可能ですが、まれです。

厳格な条件のもと、父母の親(子どもにとってのおじいちゃん・おばあちゃん)を連帯保証人にすることも可能です。

養育費はあくまでの子の養育のための費用ですので、「養育費を支払わない代わりに住宅ローンを支払う」という取り決めは出来ません。

慰謝料

慰謝料請求権は、不法行為による損害賠償請求権のひとつですので、3年の時効があります。

慰謝料には「離婚慰謝料」と「離婚原因慰謝料」という二つの区別があります。離婚せざるを得なくなったことについての慰謝料が「離婚慰謝料」であり、離婚原因となった個々の行為それ自体に成立する不法行為による慰謝料を「離婚原因慰謝料」といいます。時効の開始時期の考え方も異なります。

通常、慰謝料として合意した内容には両方の意味を含み、特に区別して考えません。

一括で支払うことが多いようですが、分割払いも可能です。長期にわたる分割払いにする場合、注意しなければならないことは、養育費のように事情変更に伴う金額の変更を請求できないことです。

また、分割払いにする場合は、期限の利益喪失条項と遅延損害金の条項も記載しましょう。

財産分与(預貯金・動産等不動産以外)

夫婦どちらかの名義の預貯金であっても、結婚後に築いた財産であれば分与の対象になります。結婚後に相続した預貯金や、結婚前に貯めた預貯金は、特有財産として分与の対象にはなりません。

子どもの名義の預貯金も、子どもが小遣いやアルバイトで貯めた預貯金なら子どもの固有財産ですが、親が子どもの学費のために貯めた預貯金であれば、子どもの名義であっても夫婦の共有財産として分与の対象です。もちろん、話し合いによって、子どものものとして分与の対象にしないことは可能です。

相手が預貯金の情報を開示してくれない場合は、財産分与を請求する側が調査をしなければなりません。弁護士会照会や調停・審判等の手続きの中で家庭裁判の調査嘱託の制度を利用することが出来ます。

 

財産分与(不動産)

結婚期間中に夫婦で取得した自宅は、どちらかの名義であっても夫婦の共有財産として、財産分与の対象になります。相続された不動産に自宅として住んでいる場合は、共有財産ではないので分与の対象になりません。

夫婦の縁を早く切りたい場合は、不動産は売却してその売却益を分けるのが適当です。しかし、自宅に住み続けたい場合は、別の分与の方法を考えます。

自宅がオーバーローンの場合、財産分与の対象ではありませんが、ローンの残債務の負担について夫婦間で話し合う必要はあるでしょう。

ローンの債務者が引き続き返済して自宅に住み続ける場合、ローンの債務者が引き続き返済をするが自宅にはローン債務者ではない方が住む場合、ローンの債務名義も自宅の名義も変更する場合、ローン完済後に財産分与として名義変更をする場合などなど、不動産に関しては様々なケースが考えられるので、それぞれのケースに応じた条項を記載する必要があります。

自宅の購入費用に、結婚前の預金や実家からの援助が含まれている場合、それらは特有財産にあたるので全額取得できるのか、という問題があります。

このような場合、自宅の取得額に対する特有財産の割合を、評価額から控除して、分与額を算出した判例があります。

年金分割

すでに離婚が成立している場合は、年金分割を請求する期限が決められているので注意して下さい。

相手方が自営業者などの「第一号被保険者」である場合は年金分割自体ができません。

年金分割には、合意分割と3号分割の2種類があります。合意分割は、分割することに相手方の同意が必要になりますが、3号分割なら相手方の同意は不要であり、公正証書にする必要もありません。合意分割をする場合でも、相手方と一緒に年金事務所に手続きに行くことが出来るのであれば、公正証書に年金分割について記載する必要はありません。

年金分割について詳しくは「年金分割とは」のページをご覧ください。

面会交流

面会交流については、あまり明確・具体的に書いてしまうと、縛られ過ぎて融通が効きません。一般的・包括的な書き方が望ましいようです。

合意が難しければ、公正証書の作成とは別に、面会交流についてだけ調停で話し合うのも良いでしょう。

面会交流権は子どもと離れて暮らす親と子どもの権利ですが、離れて暮らす親が権利を振りかざして面会交流を迫ることは許されません。両親の間の信頼関係の状態、当然ながら子どもの気持ちや状況も考えなければなりません。

稀なケースではありますが、面会交流を、監護親が、離れて暮らす親に強制させたいという場合があります。面会交流権は子どもと非監護親の権利ですので、強制させることはできません。

住所・連絡先等の変更通知

養育費等の支払や面会交流について協議が必要になった時などのために、相手の連絡先や住所を把握しておく必要があります。そこで、お互いに住所や連絡先が変更になった場合は相手に通知する義務があることを定めます。

この通知義務はお互い対等の義務であるべきで、どちらか一方にだけ義務があり他方には無いという内容には出来ません。

清算条項

(ただいま工事中です)

必要書類

■本人確認書類として①~④のうちいずれか1つ

①印鑑登録証明書(発行3か月以内)と実印

②運転免許証と認印

③マイナンバーカード(顔写真付き)と認印

④パスポートと住民票と認印

■ご夫婦の戸籍謄本(お子さんがいる場合はお子さんも記載されているもの)

※すでに離婚している場合は離婚届提出後の新しい戸籍謄本(各自)

■財産分与に関する書類

①不動産や自動車について記載する場合

 不動産の登記事項証明書、納税通知書、自動車の車検証

②住宅ローンの事前求償について記載する場合

 住宅ローン設定に関する書類

■年金分割に関する書類

年金手帳または基礎年金番号が分かるページのコピー

 

費用

ご自分で公証人に作成を依頼する場合は、公証役場へ支払う手数料のみです。

案文の作成と公証人とのやり取りを、弁護士や行政書士等の専門家に依頼する場合は、公証役場へ支払う手数料に加えて、専門家に支払う費用も発生します。

公証役場に支払う手数料

公正証書に記載する金銭債権の金額に応じて決まっています。次の(1)~(4)それぞれの金額を算出し、算出した金額に応じた下表の手数料を合計します。

例えば、慰謝料と財産分与の合計が1,000万円まで、養育費が500万円まで、その他の金銭債権が無い場合では、17,000円と11,000円の合計28,000円にその他の費用(枚数1枚当たり250円)を加算した金額が、手数料です。

 

(1)慰謝料と財産分与の合計

慰謝料と財産分与の金額を合計します。財産分与として不動産が対象になる場合は、固定資産納税通知書等の不動産評価額で計算します。

(2)養育費

養育費の支払総額を計算します。

(毎月支払額)×(12か月)×(支払年数)

支払年数が10年を超える場合は10年分で計算します。

(3)年金分割

11,000円です。

ご夫婦そろって年金事務所に行き合意書を提出できる場合や、3号分割のみの場合は、公正証書に記載する必要はありません。

(参照「年金分割とは」

(4)その他

その他の費用として、公正証書正本・謄本代(枚数1枚あたり250円)、送達手数料など。

 

合計額

手数料

100万円まで

5,000円

200万円まで

7,000円

500万円まで11,000円
1,000万円まで

17,000円

3,000万円まで23,000円
5,000万円まで29,000円

1億円まで

43,000円

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公正証書はどうして必要なのか

離婚や別居の条件を二人の間だけの契約(離婚協議書や合意書)で済ますことも可能です。では、あえて公正証書にする必要は何なのでしょうか?

強制執行できる

最大のメリットは、金銭の支払の約束に関しては、裁判を経ずに強制執行が出来ることです。ただし、金銭の支払であれば何でも強制執行できるかといえば、そうではありません。

金銭の支払の約束であっても、次のような条件を満たさなければ、強制執行できる約束とはみなされません。「公正証書にすれば何でも強制執行できる!」と思っておられる方も多いので、注意が必要です。

・支払うべき金額が、公正証書作成時点で定まっている

・定期的、あるいは分割して支払うものの場合、公正証書作成時点で支払時期や期間が定まっている

争いを未然に防ぐ

公正証書の内容は、自分若しくは専門家が考えるとしても、最終的に「公正証書」として作成するのは公証人です。公証人は、紛争を防ぎ、当事者間の法律関係を明確にし、適法な約束であることを証明するために、公正証書を作成します。

二人の間だけの約束(契約)の場合、後になって、「だまされて約束した」「そんなつもりではなかった」などと、約束自体が無効であるというような主張がされかねませんが、公正証書の場合は、高い証明効果がありますので、そのような紛争を未然になくすことができる訳です。

言い換えれば、公序良俗に反するようなことや、違法なことは、公正証書にすることが出来ません。例えば、愛人契約のような違法な契約を公正証書にすることは出来ないのです。

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